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Netflix『KonMari ~ 人生がときめく片づけの魔法~』 全米で大人気!その理由を考察

2019年は、“こんまり”の話題で幕を開けました。

1月からNetflixで配信スタートした、
“片づけメソッド こんまり”の番組が全米で大人気、
メジャーなニュースでこぞって取り上げています。

その中で「何も起こらない内容だから受け入れられた」という
ニュースを読み、
興味がわき、早速番組を視聴。

全米で人気の理由を自分なりに考察してみました。

そもそも、こんまりって誰?

一見地味でいたって普通のOLさん風な“こんまり”こと、

近藤麻里恵さんは、2010年に

本『人生がときめく片づけの魔法』を出版。

本をきっかけに、数多くのバラエティ番組に顔をだし、

一躍お茶の間の人気者になりました。

番組の内容は、狭いのにゴミであふれかえった部屋を

彼女が訪問し、片づけていく、というもの。

片づけながら、“片づけメソッド”を披露していくのですが

淡々と非常に事務的で無駄がない話しぶりに特徴があります。

どうやら、女子高女子大卒で育ちのいいお堅いお嬢さん、

しかも、しっかり者という性格が

しぐさに現れているようです。

しばらく、彼女を日本で見かけなくなりますが、

その間、彼女は世界へ飛び出していました。

全米でも本を出版すると、なんとベストセラーに。

講演などあちこちで引っ張りだこだとか。

そして、満を持して、2019年1月1日から、

Netflixで彼女の番組がスタート。

番組の中の彼女は、今や、結婚し2児の母。

拠点もアメリカに移し、

カリフォルニアに住んでいるようです。

34歳にして、躍進ぶりが半端ない!

化粧も濃くなり、黒髪もつやつや。

番組では、まじめなおカタい彼女が、

アメリカ人相手に相変わらず事務的に

片づけメソッドを解説をしていきます。

その間、癖なのか、よく瞬きをします。

まつ毛が明らかにエクステで

バサバサと動く様が異常に目立つんです。

おしゃれして背伸びしている感が、いなめず、

なんだか、かわいらしく好感が持てます。

アメリカの家は大きい!

さて、Netflixの番組、

『KonMari 〜人生がときめく片付けの魔法〜』

ついて触れていきます。

アメリカの事情は、とにかく家が大きくて広いので

片づける必要性があまりないようです。

そのせいで、異常なくらいモノが多い。

収納も十分にあるからか、

衣類が、山のように出てくる。

その量は、想像を絶するぐらい、すさまじい。

おそらく、彼らは工夫してモノを片づける、

という習慣がない。

家が広いからそういった発想さえ出てこない、

ようです。

雑然とモノがあちこちに置かれていて、

日本人の感覚から言うと

あれだけモノが買える豊かさに対して、

贅沢で恵まれている、

とてももったいないという想いがあふれてきます。

買いたいだけ買って、それで、片づけられない、

と悩んでいるので、

日本の狭い家の事情との違いに立った上で

個人的には、ややシラケ気味に見てしまいます。

儀式「家にご挨拶」

番組前半は本人たちが抱える問題を

モノを片づけることを通して解決し、

どういう風に自分を変えていきたいか、を、

本人が告白します。

まさに、リアリティ番組。

そして、番組は、本人の葛藤や心の変化を

“片づけ”の進行と一緒に追っていきます。

彼らの片づけを、途中途中で、

彼女の手法で協力したり、勇気づけたり、

励ましていくのが、こんまりさんの役目です。

本人からの告白を聞いた後、

いよいよ片づけが始まります。

しかし、その前に、こんまりは

“家の儀式”をします。

家のあるスポットを彼女が指定して、

家に挨拶をするのです。

床にじかに正座し、目を閉じて、

心の中で家に語りかけます。

それが、おそらくアメリカ人にとっては

とても神秘的に、映るようです。

この儀式は、まさに、モノに対する敬意、

モノにも命がある、という

日本古来の文化、思想、風習が

彼女のメソッドに生きているのです。

このシーンは、ある種

この番組の見せ場となっています。

こんまりの儀式の様子だけでなく、

片づける本人たちが“儀式”を見る表情も、

観ているものを引きつけます。

片づけで対峙する心の問題

片づけが始まると、

本人たちが抱えた問題が

浮き彫りになっていきます。

当然、エピソードごとに

その人や家族の事情は違います。

とても身近な問題を抱えているアメリカ人が

そこにいます。

ありえないような遠い世界の話ではなく、

だれもが経験する、もしくは

経験するであろう事情なので、感情移入しやすいです。

確かにNetflixが売りにしているドラマのように

ジェットコースターばりのストーリー展開ではありません。

しかし、何も起こらないわけでなく、

それぞれの人にはストーリーがあります。

問題があり、葛藤があり、

片づけることで克服していく姿は、

心動かされるものがあります。

そこに、“ときめき(スパーク・ジョイ)”の

片づけの手法が入ってくる、

さらに、彼女のキャラとあいまって

斬新に見えます。

彼女のキャラが、

すごく立っているのは言うまでもありません。

こんまりは、日本人特有の清楚さと

何を着ても、OL風で、そのたたずまいが崩れない、

そこが

アメリカのカリフォルニアとミスマッチしていて

とても面白い。

日本人の世界での活躍を見れるので、

そういう視点から見ても

楽しめる番組でした。

  • この記事を書いた人

Cineカエル

映画好きが高じて、映画業界を渡り歩いています。 自分が拾った映画にまつわる情報を「映画レビュー」、「動画配信」、「映画祭」、「映画を作る」という観点でまとめていきます。

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