コロナ感染予見映画『コンテイジョン』(2011)【パンデミックを俯瞰】

2020-05-12

総評

ウィルス感染の様子がリアルで、恐怖をあおがれる一方、
その時のシュミレーションできるので観る価値はある

その時、何に注目するべき？

本作を観ることである程度シュミレーションできるので、新型ウィルスによる先が見えない不安を少しは解消できます。

特に、政治、WHO、ワクチン（製薬会社）、メディア（情報）、お金が、どのようにからんで進んでいくのか、は参考になります。

注目点

・ワクチン製造（WHO、製薬会社、政治とお金）は？

・ロックダウンによる治安維持は守られるか？

・メディアや情報の信ぴょう性

・ウィルス発症の原因は？

映画の最後、ウィルス発症の原因とその感染拡大の様子が描かれます。このシーンを観ることで原因の矛先、責任追及、今後の在り方に一石を投じるはずです。

映画としての魅力　豪華キャスティング

映画として、やたらと豪華なキャスティングに驚きます。

当時、スティーブン・ソダーバーグ監督がどれだけ注目されていたことが分かります。注目したいのは脚本もオリジナルだということ。企画時点から、かなり内部の評価も高かったようです。

演出として面白いのが、名実ともに実力ある女優たちの死にざま。ウィルスに感染してブザマに死んでゆく。ウィルスの恐ろしさをリアルに伝えるためだろうが、それにしても女優たちがよく了承したもんだ！

グフィネス・パルトロー(※)にいたっては、その死に方は、目を覆うほどグロい！初の感染者として冒頭すぐに死ぬ。突然けいれんを起こし、泡をふく…さらに検死するシーンでは、彼女の死に顔を映しながら脳皮をはぎとる！！検死の様子をできるだけ事実に即して描いたのだろうが、えげつなさが半端ない！！

※グフィネス・パルトロ―については、動向が注目を集めている。興味のある人は『女優G・パルトロ―が面白い！キャリアチェンジとウェルネスとgoop lab（Netflix配信）』をご覧ください。

さらに最悪なのは、役として彼女は出張ついでに不倫するという設定。それが死後、感染経路をたどっていくうちに判明。検査員から旦那は悲しむ間もなくその事実を知らされる。彼女は出張先の香港でウィルスに感染、トランジットで寄ったシカゴで不倫。不倫相手も感染。そこからパンデミックへと発展していく。

旦那役にマット・デイモン。
濃厚接触者としてただちに検査するが、彼にはウィルスにたいし免疫があることが判明。せめてもの救いだが人類を救うヒーローになれるわけもなく、終始、残された娘をウィルスから守ろうとする役どころ…　不運で成す術がないあわれな、"普通の人”を演じています。

とはいえ、観るには覚悟が必要

パニック映画ならではの、大げさな描写には、注意が必要です。

ある種、最悪のシナリオを描いているので、既にある不安や恐怖を、より一層、あおがれます。映像には、想定以上の大きな影響力があるので、ただでさえ不安な人は観るには相当な覚悟が必要です。

当時の映画のコピー

「恐怖」はウィルスより早く感染する

覚悟必至　大げさな描写

・ロックダウンの様子（完全な都市封鎖により他の地域へ脱出不可）

・スーパーで買い占める人々（スーパーには何も残っていない）

・治安の悪化（食料を求めて、ライフルをもって民家を襲う強盗たち）

・食糧配給シーン（人々が我先にと争うが配る食糧がすでに尽きている）

作品情報：

上映時間　106分
製作国　アメリカ（2011年製作）
配給　ワーナー・ブラザース映画
日本初公開日： 2011/11/12
監督　スティーヴン・ソダーバーグ
脚本　スコット・Z・バーンズ
出演　マリオン・コティヤール　マット・デイモン　ローレンス・フィッシュバーン　ジュード・ロウ　グウィネス・パルトロー　ケイト・ウィンスレット
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