『ベティ・ブルー／愛と激情の日々』(1986)　一生に一度ぐらい、溺れる恋愛をしてみたい

2020-10-10

常軌を逸していく女と男の愛情に激しく動揺しながら共感してしまう

こんな人におすすめ

・人間の奥底に眠る、自分ではコントロールできない本能、潜在意識がゆさぶられる

・公開当時1987年、センセーショナルな内容と映像で、口コミから世界的に大ヒットへ
→これほど好き嫌いが分かれる映画はない
→日本でも、はまる人が続出
→こんな恋愛の方が実はリアルかも？！
→個人的に本作がきっかけで、分かりやすいハリウッド映画からフランス映画に大きく趣向が変わる

・本能のおもむくまま生きるヒロインがちょっぴり羨ましい
→彼女の感情の激しさが異常で観てる側は完全に動揺させられる…

・彼女にどっぷりはまる男の優しさが胸にしみる
→当初は、なぜ、こんなに優しいのかあまり理解できなかった
→年取るにつれ、この優しさはありだな、と知る…

・映画のポスターが美しいこと！！
→これほどまでに魅せられたポスターはない
→ポスター買いして部屋に貼る人が、なんと多かったことか！
→映画を象徴するブルーの美しさが本作を物語っている

見どころ

・官能的。おぼれるほどエッチしまくる主人公のふたり
→そのため主人公のふたりはほとんどのシーンが裸（映倫に引っかかる！！）
→女優のベアトリス・ダルは本作が映画デビュー作。その肉々しい裸体が本作を象徴
→彼女の見事な脱ぎっぷりと堂々とやりこなすベッドシーンがいたって自然体…　さすがフランス人！
→演技なのか何なのか、ふたりだけの世界が確かに映画の中に存在する！！

・フランス語の原題は『37°2 le matin』で、「朝、37度2分」の意味。これは女性が最も妊娠しやすい体温とか、女性が情緒不安定になるとか、諸説ある

・ピアノを２人で奏でるシーン
→映画に音楽が色を添え心に響かせることが映像で見える

・1992年『ベティ・ブルーインテグラル』公開。これは監督によるディレクターズ・カット版。
→公開にあたり映倫による修正がはいる。その完全版（修正なし）が完全版としてソフト化。
→このディレクターズ・カット版は、『愛と激情の日々』とまったく印象がかわる！当時、同じ作品なのにここまで印象が変わるのかと話題になった！
→『愛と激情の日々』はベティの異常さが戦慄が走るほど目立ったが、完全版はゾークの人間味が見えて普通の映画として物語性がある

リバイバル：
2012/07/28 　製作25周年記念ジャン＝ジャック・ベネックス監督監修デジタル・リマスター版