カンヌ国際映画祭は、マーケットも同時開催することから
世界中の映画関係者が集結し
世界中から注目されます。
報道陣が集まるレッドカーペットを
選ばれた映画人たちが、華やかなドレスを着て歩く姿は
まるで栄光の象徴のように、映し出されます。
「次に歩くのは俺だ!」と
映画人の創作意欲を掻き立てることは
カンヌ国際映画祭の存在意義のひとつでしょう。
そして作家性、芸術性が強く
なかなか日の目を見ない作品が選ばれることで
商業的にも注目をされる、
そのことに映画人はとても救われています。
映画祭公式サイト:Festival de Cannes
目次
開催時期・場所
ー毎年5月中旬~約10日間
ーフランス・カンヌ(南フランス、コートダジュール沿い)
ー日本との時差7時間
ー飛行時間
日本からニースまでは、乗り継ぎ時間約1時間半を含めて15~16時間程度
ーエアー料金
往復で12~18万円
特徴
ー国際映画製作者連盟(FIAPF)が、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と併せ、
公認する世界三大映画祭の一つ
ーコンペティション部門など公式選出とは別に、
独立選出(“審査員も賞もない”)があります
・国際批評家週間 新人監督作品
・映画監督週間 世界中の映画監督
いずれも世界中の映画関係者へのお披露目の場になるため、“新人の登竜門”として
知られています。
1968年、反体制運動を受けて、ゴダール監督たちが映画祭を会期途中で
中止に追い込みました。
それを機に「審査員も賞もない」部門を映画監督週間として設立しました。
ーコンペテティション部門の審査員は、映画祭事務局によって選出された
著名な映画人や文化人で毎年、誰が審査員になるか個性が出るため
話題のひとつになります
賞・コンペティションについて
ー賞の対象は、公式選出に出品された作品のみ
・コンペティション部門
パルム・ドール(最高賞)グランプリ監督賞、審査員賞、脚本賞、女優賞、男優賞
・ある視点部門(1978年創設)
コンペティション部門からもれたオリジナリティのある作品を選出
・シネフォンダシオン部門(1998年創設)
世界各国の映画学校の学生がつくった短編・中編作品を対象
・カンヌ短編部門(2010年創設)
短編映画のコンペティション
・コンペティション外部門
・特別招待作品
・カンヌ・クラシック 過去の名作を復元版やニュープリントで上映
・カメラ・ドール 新人賞(処女作品)
支援・企画マーケットの有無
企画マーケット:
Le Marche de Film(国際見本市)にて企画のプレゼンが行われる
支援:
・「レジデンス」・・・新人監督たちの脚本執筆をサポート
・「アトリエ」・・・若手20名ほどの監督たちに経済的支援を実施
映画マーケット(映画見本市)について
ーMIFED、American Film Marketと並び世界三大マーケットのひとつで、
映画祭と同時併催されるのは、カンヌのLe Marche de Filmのみ
ー世界中から、約800社、1万人超の映画関係者たちが配給権の売買や
企画のプレゼンが行われます
公式サイト:Le Marche de Film
出品の条件
ー尺
・長編 60分以上
・短編 15分以下、60分以下
※部門によって異なります
ー手数料 3000円~16000円
※部門によって異なります
ーインターナショナルプレミア
配信、放映、上映されてない作品に限られます
ー言語
英語/フランス語
ー応募締切 開催の約半年~3か月前
※部門によって異なります
ー選出された作品はフランスでの公開必須
フランスでは映画文化特例制度があり、映画入場料や
ビデオやテレビ事業者に対して
映画促進のための特別税を設けています。
映画祭の運営資金はこの税金収入により成り立っています。
そのため映画祭事務局はフランスでの公開を義務付けているため
配信のみの体制を崩さないNetflix作品に対して、
いまだ受け入れていません。(Netflix問題)
歴史
イタリア、ムッソリーニのヴェネチア国際映画祭に対抗し、
フランス政府の援助のもとに始めようとしますが
戦争のために開催は延期されました。
そして1946年に第1回が開幕。
1968年の中止をのぞけば、毎年、開催されています。
1968年に学生や労働者の政府や官僚主義への反体制運動に
ヌーベル・バーグの旗手ジャン・リュック・ゴダール監督らが
呼応して、映画祭を途中で中止に追い込みました。
日本作品の主な受賞歴:
今村昌平監督「楢山節考」(1983年)のパルム・ドール受賞以降の
受賞作品を挙げました
【コンペティション部門】 ●パルム・ドール(最高賞) ●グランプリ ●審査員賞 ●男優賞 ●カメラ・ドール 【ある視点部門】 ●監督賞黒沢清『岸辺の旅』 ●審査員賞
今村昌平『楢山節考』
今村昌平『うなぎ』
是枝裕和『万引き家族』
小栗康平『死の棘』
河瀬直美『殯の森』
是枝裕和『そして父になる』
柳楽優弥『誰も知らない』
河瀬直美『萌の朱雀』
黒沢清『トウキョウソナタ』
深田晃司『淵に立つ』