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『イメージの本』評価 ★★☆☆☆ “アート”な84分に覚悟が必要

総評 88歳現役、ジャン=リュック・ゴダールの最新作を映画館で鑑賞できる幸せ、
のはずが消化不良で終わってしまう

 

鑑賞理由

 

2018年、カンヌ国際映画祭では、

”スペシャル・パルムドール”という特別賞が

新たに設けられました。

第1回の受賞作が、ジャン=リュック・ゴダール監督の本作、

『イメージの本』です。

88歳にして新作を世に送り出すこと自体、畏れ多く、

拍手を贈るべく、実際に映画館に足を運びました。

クリント・イーストウッド監督も同じく88歳にして現役。

映画の本場フランスと商業映画の代名詞、ハリウッドで

活躍するそれぞれの巨匠が至った世界観が

まったく違うところがとても面白い。

イーストウッド監督「運び屋」については

こちらをご覧ください。

 

映画の背景

 

巨匠といえども、当初、フランスの映画会社から

本作を扱うことを断られた経緯があります。

結局、スイスの映画会社が名乗りをあげて

やっと完成・公開に至ったとのこと。

公開まで4年の歳月がかかっています。

第71回カンヌ国際映画祭(2018年)、

最高賞のパルム・ドールの上をいく賞を受賞したとは、

最初に断ったフランスの映画会社にとって

大きな誤算になりました。

 

感想

 

これを映画と呼ぶべきか…

映画の粋を越えて、アート、とくくるしかないでしょう。

断片的な映像のコラージュが84分ずっと流れます。

そこに一連のストーリがあるとは読みづらく、

どう解釈していいか分からないまま

次から次へと映し出される映像をただ見続ける…

途中でそんな自分を客観視するもうひとりの自分が

浮かび上がってくるほど感情移入できません。

途切れる音楽、ゴダールのナレーション、

断片的な映像のセリフ、

カオスでしかないようなメッセージらしきものを

観客は懸命に紡ぐしかありません。

ゴダール映画を自分だって

ちゃんと理解したい、という必死な自分に

笑えます。

そこには、確かに人類の歴史が見えます。

彼の歴史を憂えていながら

未来を見つめている姿勢があるように思われました。

「思われました」としか書けない、断定できないもどかしさ、

この消化不良は、苦々しさが残りつつも、

ゴダールだから許されるもの。

“アート”という言葉でしか語れない作品です。

 

作品情報:

上映時間 84分
製作国 スイス/フランス
公開情報 劇場公開 コムストック・グループ
監督  ジャン=リュック・ゴダール
製作 ファブリス・アラーニョ
脚本  ジャン=リュック・ゴダール
ナレーション ジャン=リュック・ゴダール

公式サイト:http://jlg.jp/
Youtubeで予告を観る:https://youtu.be/vqYbehIzLw0

  • この記事を書いた人

Cineカエル

映画好きが高じて、映画業界を渡り歩いています。 自分が拾った映画にまつわる情報を「映画レビュー」、「動画配信」、「映画祭」、「映画を作る」という観点でまとめていきます。

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