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『麻雀放浪記2020』感想|評価 ★★☆☆☆ ガッカリ!

評価  ★★☆☆☆ ガッカリ

 

総評 斎藤工構想10年×白石和彌監督の皮肉をこめたコメディ映画
皮肉はわかるが笑えない上、ゴチャゴチャな展開に思考停止に陥る

 

ジャンル SFコメディ/リバイバル

鑑賞理由

東映×白石監督のリバイバルものであり

前作「孤狼の血」が良かったので、まず興味がわきました。

ただ、“コメディもの”が、白石監督でイメージがわかず、

引っかかっていたのと予告編を見ても

わざわざ映画館で観るようには思えませんでした。

ただ、映画制作者から、全編 iPoneで撮影されたことを聞きつけ

大きなスクリーンで観たときの質を知りたく、

劇場に足を運びました。

 

映画館の様子

新宿バルト9 シアター1(69名)

4月14日(日)16:05~の回でほぼ満員

若いカップルがチラホラ、

男女まばらで40代~60代の人が多かったです。

 

映画の背景

ピエール瀧の逮捕騒動で、

本作は一躍メディアに取り上げられました。

ピエール瀧の差し替えもなく、彼のシーンを削除することもなく

公開に踏み切っています。

ピエール瀧の演じた役は特に重要ではなく、

彼のシーンを削除しても

内容にそれほど大きな影響はないように見受けられました。

ただ、この作品の、日本の“今”を皮肉ったブラックコメディーの質から

ピエール瀧のシーンを削除なしに公開したのは

かえって本作らしさが出て、

意義はあったようです。

そこを各メディアが取り上げて、

映画としてはよい宣伝になったかもしれません。

お蔵入りになるか、ならないかで

製作者側は死ぬ思いでの決断だったことでしょう。

多少宣伝効果はあったにしろ、

全国50館上映、公開第一週の興行成績は

10位圏外となりました。

 

キャスティング

「斎藤工構想10年」と謳われていますが、

実際は、彼が映画化の版権交渉に10年を費やしました。

その点から彼の意欲作には間違いないでしょう。

斎藤工のキャスティングについては

特に文句もなく、熱意をもって演じきっています。

よくもこんなバカバカしい演出を

やり切った、と感心させられるほど。

一方、ヒロインを演じた、もも、は、うまくはまっていました。

演技は、素人感が丸出しです。

そこが役柄にマッチしていたので、キャスティングは成功しています。

そして、竹中直人氏ですが、何をやっても竹中直人。

いつもの存在感を放していましたが

彼独特のテイストが、必要とされる役柄でした。

特筆すべきは、ベッキーです。

AIロボットとして、とても馴染んでいました。

血の気のない無表情のロボットに、

まったく違和感がありませんでした。

彼女の顔の特徴が、うまくAIロボットにはまっていたことが

大きな要素でしょう。

ただし、彼女は二役を演じていて

人間役の方は、残念ながら、

役として必要な色気が、不自然で無理があり

かなり微妙でした。

 

感想

 

白石監督としては、主人公が2020年にタイムスリップする設定上、

好きなことができる、ということで

この作品の監督を引き受けたようです。

そんな経緯だからか、

皮肉をこめたブラックジョークがてんこ盛りです。

ただし、正直、笑えません…

ブラックユーモアの演出があまり上手ではないようです。

好みもあるでしょうが

笑いが安っぽく、演出として中途半端さがうかがえます。

ストーリー展開が

いろんなものを入れ込みすぎて

ぐちゃぐちゃで、途中からついていけない、

もしくは、ついていく気力をなくします…

 

最後にiPhoneで撮った映像の画質ですが、

粗さは目立ちました。

しかし、特にそんな事情を知らなければ、

そんなものなのだろうと、違和感なく観れるはずです。

 

作品情報:

上映時間 118分
製作国 日本
公開情報 劇場公開(東映)
監督 白石和彌
プロデューサー 谷島正之 甘木モリオ
出演 斎藤工 もも(チャラン・ポ・ランタン) ベッキー ピエール瀧
公式サイト:http://www.mahjongg2020.jp/index.html
Youtubeで予告を観る:https://youtu.be/mftuW5_4oS0

  • この記事を書いた人

Cineカエル

映画好きが高じて、映画業界を渡り歩いています。 自分が拾った映画にまつわる情報を「映画レビュー」、「動画配信」、「映画祭」、「映画を作る」という観点でまとめていきます。

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