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『七つの会議』感想|★★★★☆ very good!

評価★★★★☆ Very Good!

会社員なら誰もが身に染みる社会問題を提起
慣習がはびこる日本の組織体制下で「あなたなら、どうするか」を問われる

 

鑑賞理由

 

池井戸 潤原作「七つの会議」、野村萬斎主演、東宝配給で完全映画化。
同じようなスペック映画、東宝配給、東野圭吾原作「マスカレードホテル」、
木村拓哉主演、の次に仕掛けてきた話題作。
どちらも、ベストセラー作家の原作もの、実力派の人気俳優が主演。
観客のターゲット層は違うものの、ヒット間違いなしの太鼓判を押された作品。
個人的に映画としてどちらに軍配が上がるか、探りたく、映画館で鑑賞。

 

映画館の様子

 

2月26日水曜日、レディースデイにて、TOHOシネマズ日比谷、13:20の回にて鑑賞。
昼間にもかかわらず、多くのサラリーマンが入ってました。
客層は、40代から上の男性で年配者が多い。
20代後半~30代前半のサラリーマンが、ちらほらと、見受けられました。

 

キャスティング

野村萬斎は映画「のぼうの城」を主演しヒットしたことから
もはや映画俳優としても広く名前が知られています。
映画「シン・ゴジラ」でゴジラを演じたことからも稀な存在です。
彼の体に染みついている狂言師ならではの歩き方や姿勢が
現代映画でも異常に目立ちます。

組織に染まらず、晩年係長でやたらと組織で浮いてる役柄を
その異彩で引き立てていました。

一方、同期入社、部長で出世したライバル役を香川照之が演じています。
今回は大げさすぎる演技が、ちょうどよく、実力を見せつけました。

ストーリーを引っ張ることになる第一課係長役の
及川光博が、組織によくいる凡人役でうまくはまっていました。

それから、漫才の藤森慎吾も、経理課の勘違い野郎を
違和感なく演じています。

キャスティングはどれもうまくハマっていて
成功しているように見受けられました。

 

感想

 

日本の会社での、よくある話なので
感情移入がしやすく、最後も痛快で面白かったです。

野村萬斎演じる万年係長がなぜ、万年係長なのか、
その謎を追う、というミステリータッチで
ストーリーは展開していきます。
そのため途中で飽きることはありません。

とにかく、日本の組織体制で働いたことがある人は
身近な問題であるため、こまごまとしたエピソードがどれも全部
他人ごとでは済まされません。

サラリーマンの悲哀を描いていることは
言うまでもありません。
家族を背負う男性社員は、組織のためなら
倫理も捨て過剰なほどに走り続けます。

倫理的に間違っていることを犯していると
自覚しつつも、フタをして突っ走るその先に
何があるのか、
この映画は、みせてくれます。

あなたらなら、
野村萬斎が演じる万年係長の道を選べぶか、
それとも、
出世街道まっしぐらの部長の道を選ぶかーーー。

どちらを選ぶか、は、
ぜひ映画をみて考えてください。

作品情報:

『七つの会議』

製作国:日本 上映時間:119分 配給:東宝  初公開年月 2019/02/01
監督: 福澤克雄  原作: 池井戸潤 脚本: 丑尾健太郎 李正美
出演:野村萬斎 香川照之 及川光博 朝倉あき 片岡愛之助
公式サイト:http://nanakai-movie.jp/index.html

 

  • この記事を書いた人

Cineカエル

映画好きが高じて、映画業界を渡り歩いています。 自分が拾った映画にまつわる情報を「映画レビュー」、「動画配信」、「映画祭」、「映画を作る」という観点でまとめていきます。

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