★★☆☆☆ 残念 サスペンス ドラマ 映画レビュー 邦画

『マスカレード·ホテル』感想|★★☆☆☆ がっかり

評価 ★★☆☆☆ がっかり

総評:
スペックの豪華さが
“ミステリー映画”をかえってシラケさせていた

【鑑賞理由】

80過ぎの母親と鑑賞する映画として、

豪華キャストが出演する話題作、

何より東野圭吾ミステリーである本作を選んだ。

映画の背景 あくまでも憶測

本作は主演 キムタク×原作 東野圭吾を看板に

各業界の大御所たちが「これでもか」と言わんばかりに

スペックをかけあわせた超ド級メジャー映画だ。

“累計355万部を突破した東野圭吾氏による小説シリーズを

実写映画化第一弾”と謳っており、シリーズ化をにおわせている。

原作「マスカレード·ホテル」

ヒロイン役の長澤まさみをはじめ

相当、スタッフ一同プレッシャーだったことがうかがえる。

広告宣伝など映画会社側もこけたらタダじゃすまされず、

大事件に発展しかけない。

なにせ公開スクリーン数 349 だもの!

命がけで宣伝していたことだろう。

主演のキムタク、長澤まさみも宣伝に協力的で公開1週間前は

テレビで見かけない日はなかった。

そして公開7日間の観客動員数が100万人突破とのこと。

公開後の“お決まりニュース”をきっかけに動員をさらに伸ばしたいところ。

いわゆる“順調な滑り出し”で、

関係者一同、胸をなでおろしている姿が目に浮かぶ。

他人ごとながら、ホッとしてしまう。

 

キャスティングについて

キムタクは、何をやらせてもキムタクである。

キムタクと長澤まさみは初共演とのこと。

長澤まさみのホテルマンはよく似合っていた。

松たか子、が役として登場した時点で

ストーリー上、重要人物だろうと推測できる。

そのため裏をかいた演出。

勘のいい人には気づいてしまうのだが。

小日向文世氏はクセのある人物を

自然に演じてしまうからすごい。

 

映画館の様子

公開1週間後の金曜日、

16:45の回、TOHOシネマズ新宿にて鑑賞。

大きなシアターでほぼ満員。

7割は20代の若者(アベック目立つ)、

残りは30代~50代で、男女とわず

多くの観客でにぎわっていた。

 

感想

あらすじは、連続殺人犯逮捕のため刑事(キムタク)が

ホテルに潜入捜査をする、というもの。

犯人を追うミステリーを大きな柱に、

ホテルマンという職業ものをサブラインとするストーリー構成だ。

原作者の東野圭吾は、嫌いじゃない。むしろ好きである。

エンターテイメント性が強く映画との相性がいい。

今回も、彼だから外さないだろう、と

ミステリーのエンターテインメントを楽しみにしていた。

ところが本作はミステリーというよりも、

ホテルマンという職業を潜入捜査で配属された刑事、

いわば素人を通して描く“職業もの”が前面にでていた。

山場であるミステリーの謎解きが始まるまで、

ホテルマンとしての主人公と

お客様のエピソードが延々と続く。

数々のエピソードを埋めるため、

そして何より飽きさせないために、

とっかえひっかえ実力派の俳優さんたちが

顔を出している。

どの役者さんも、はまり役で違和感ない。

しかし、そこが裏目に出て、

途中でお腹いっぱいになってしまうのだ。

犯人とおぼしき人物もその中に含まれるが

エピソードが多すぎで、

肝心の犯人捜しのストーリーラインが

完全にぼけてしまっていた。

さらに、そのミステリーの謎解きも、

裏の裏をかくのでこんがらがって、

正直、分かりにくい。

それはそれは贅沢なスペック映画なのだが、

いろいろこねくり回しすぎている。

製作側の熱意や頑張りが裏目にでてしまった感が

ぬぐえない。

事実、隣の50代であろうおっさんは途中、

いびきをかいて寝ていた。

映画特有の感動や新しい驚きがなく残念だった。

 

『マスカレード・ホテル』

2019年1月18日 公開
監督 鈴木雅之
脚本 岡田道尚
製作 石原隆 、 木下暢起 、 藤島ジュリーK. 、 市川南
配給宣伝 東宝
スクリーン数 349
尺 133分

  • この記事を書いた人

Cineカエル

映画好きが高じて、映画業界を渡り歩いています。 自分が拾った映画にまつわる情報を「映画レビュー」、「動画配信」、「映画祭」、「映画を作る」という観点でまとめていきます。

-★★☆☆☆ 残念, サスペンス, ドラマ, 映画レビュー, 邦画
-,

© 2024 Cineカエル Powered by AFFINGER5