フランスの映画関連助成金&
ファンドについてまとめます。
随時、更新予定です 。
フランスの映画関連助成金&ファンド まとめ
目次
海外映画への助成金|Aide aux cinémas du monde
フランスは、海外の映画製作に対する助成金が
存在します。
CNCと呼ばれる映画振興の機関、
国立映画センターには年間約800億円という
潤沢な予算があります。
比べてこれにあたる日本の予算は
年間約60億円。
ちなみに韓国は韓国映画振興委員会(KOFIC)があり
年間400億円。
フランス人にとって
フランス映画の価値が数字で
よくわかる結果になっています。
映画に対する助成金がなんと
何百種類もあるそうです。
その中で、唯一日本が申請できる助成金が
Cinema du monde です。
正式にはAide aux cinémas du monde。
映画業界では、とても有名な助成金です。
この助成金を狙わない手はありません!
特徴 cinémas du monde
特徴として
・競争率が高い
・配給助成の可能性あり→最高12万€(約1400万円)
・pre pro、post pro の2種類の助成金があり、
1年に4回募集がある。
ただしpost proの助成金はpre proの助成金に
落ちたプロジェクトのみ。
条件 cinémas du monde
●フランスの共同製作プロデューサーのサポートが必要
This is a selective fund, and is granted as a subsidy either before or after completion of a project.
It is granted to foreign feature-length film projects that are seeking support from French co-producers.
(CNC 公式サイトより)
→日本語 審査のあるファンドで、
プロジェクトの完成前と完成後の両方を
助成します。
フランスの共同製作プロデューサーの
サポートを依頼し、
海外の長尺映画に対して助成されます。
●映画は共同製作(合作)でなければならない
The film must be a co-production between a production company established in France and one that is not, it must be directed by a non-French (or exceptionally French) director. (CNC 公式サイトより)
→日本語
フランスで設立された製作会社と
フランス以外の国の製作会社との
共同製作(合作)でなければならない。
そして監督はフランス人以外(例外あり)で
なければならない。
申請の締切は?
・Pre-filming subsidies must be applied for before the start of any filming.
・Post-filming subsidies must be applied for by the French production company and are only applicable to projects rejected at the pre-filming stage. (CNC 公式サイトより)
→日本語
・Pre-Pro助成金は、撮影前に
申請しなければならない
・Post-Production助成金は、
フランスの製作会社から申請し
Pre-Proの段階で審査に落ちた
プロジェクトのみ申請できる
助成金の上限
There is a ceiling of € 250,000 for pre-filming subsidy and of € 50,000 for post-filming subsidy. The amount awarded may not exceed 50% of the French financing part. However, this limit is raised to 80% if the project is a director’s first or second feature-length film, for films with a budget lower than € 1,250,000, or for those co-produced with low-income countries.
(CNC 公式サイトより)
→日本語
Pre-Pro助成金は上限25万€(約3千万円)で、
そのうち5万€(約600万円)が
Post-pro助成金にあてられる。
助成金額はフランスの会社の出資額、
50%を超えてはならない。
ただし、作品が監督の第1作か
第2作であれば、その80%までとなる。
また予算が125万€以下か、
発展途上国との共同製作の場合も、
これにあてはまる。
助成金の使い方
At least 50% of the subsidy granted must be spent by the production company established in France.
(CNC 公式サイトより)
→日本語
助成金の50%は
フランスで設立した会社に対して
使われなければならない。
申請書類の言語
The documents required for the application have to be all in French (script, director’s note, synopsis, etc.) and must be filed online: https://form.cnc.fr.
(CNC 公式サイトより)
→日本語
申請書類はすべてフランス語で
なければならない。
そして書類はオンラインに添付し
申請すること。
最後に
助成金を含めフランスからの資金調達には
作品の内容・スペックによって
明暗が分かれるそうです。
監督の作家性や独自の視点が必要で
たとえば社会問題に対する姿勢など
重要視されます。
【好まれるスペック】
・名のある映画祭で受賞歴のある監督
・世界的に有名な俳優の参加
・名のある映画祭の受賞歴
・ニッチ市場(特定のニーズがある一部の市場)に
訴える
共同製作に対する助成金なので
フランスのパートナーを見つけることが
求められます。
フランス人でなくても
フランスで設立した会社で
あればいいわけです。
ここにヒントもありそうです。
なお、EU映画として認められれば
CNCの多くの助成金に申請できますが
EU映画としての必須条件が厳しいため
世界的に有名な監督でなければ
EU映画承認は厳しいでしょう。