評価 ★★★★☆ Very good!
総評:くだらなさだけを期待して観るべし!
目次
鑑賞理由
まさかの興行1位に驚き、
その理由を求めて、急いで映画館にて鑑賞。
映画館の様子
本作の配給と製作である東映のメイン館、丸の内TOEI、16:00からの回、
レディースデイ。
メイン館のわりに空席が目立ちました。
学生を筆頭に若い人、20代が想定外に少ない…
興行一位の話題作、漫画原作で、本日はレディースデイ。
作品のメイン館であろう映画館が賑わっていません。
満員で当日券は取れないかも、と
急ぎ足で映画館にむかったので拍子抜けしました。
やはり、若い人は、シネコンに行くのでしょう。
映画の背景
本作は製作委員方式をとってますが、3社のみ。
最近は、委員会に参加する会社が少なく、
その多くは、映画会社、原作元(出版社)、
テレビ会社などが独占しています。
今回も、東映、フジテレビジョン、テレビ埼玉の3社のみ。
テレビ埼玉が、メンバーなのは、やや笑えますが、
ここは当然でしょう!
また、監督は、あの武内英樹氏。
フジテレビのドラマ出身で、
映画「のだめカンタービレ 最終楽章 前編 」で
映画監督デビューを果たし、
そして「テルマエ・ロマエ」では
まさかの50憶円超えの大ヒット。
武内監督は、漫画原作もので、
誰も期待していない作品のヒットメーカーとして、
今回でその名を不動のものに!
キャスティング
二階堂ふみにGACKTがメインキャストというだけでも
なかなか、頑張っているのに、
脇役も豪華な役者さんたちが顔をそろえています。
キャスティングから
実は、かなり力を入れた作品だったとうかがえます。
GACKTのキャスティングに関しては
高校生役だったために一度は断ったとか。
原作の先生から強いリクエストがあり
出演が現実になって、そこから、火がついたのかもしれません。
GACKTがオファーをOKしてくれたからには
製作側、監督に気合が入ったはずです。
感想
くだらなさを期待して見たところ
想定を上回るほどの、破壊的なバカバカしさに
うなりました。
正直、途中、少し眠気が来るのですが
これでもか!と目が凍るほどの
演出とその映像に眠気もぶっ飛びます。
埼玉をはじめとした関東エリア各地域の自虐さを前面に出しながら
それぞれの名産や特徴を前面に押し出しています。
これはまさに、地域映画の特徴です。
しかし、これこそ嘘のない地域映画となっており、
潔くて拍手を贈りたくなりました。
とかく地域映画と呼ばれるものは、
その地域の良さを前面に出そうとします。
自然豊かな日本の原風景だったり
名産だったり、田舎の人の好さだったり、
それらに対して、まったく文句はありません。
しかし現実的に過疎化問題が見え、
画的に悲壮感が感じられ、
明るい内容の映画にすればするほど、
かえって、無理が目立ち、違和感がぬぐえません。
最後は必ず、どの作品も
協力してくれた地元住民がカメラに向かって手を振る姿が
俯瞰で撮られています。
気持ちはわかります。
自治体がお金を出していたら
地元住民の意を汲んで撮ってあげて、と
頼まれるのでしょう…
しかし、観る側は、このパターンに
つい、ため息が出るのは事実です。
とにかくこの映画の良さは、
埼玉のディスりが半端ない、ところです。
最後の終わり方は、埼玉県人の方々は、
それなりにスッキリできたのでは
ないでしょうか。
原作の漫画は未完なので
終わり方も注目されるべきところで
話題性がありました。
それにしても
伊勢谷友介の妖怪っぷりには
失笑してしまいました。
体を張ってました。
エンディングのはなわ氏の歌も
久しぶりに彼らしい芸風に触れられて
愉快に最後まで観ることができました。
その飽きの来ない演出には、アッパレ、です。
作品情報:
「翔んで埼玉」(2018年製作)
配給 東映
尺 106分
日本映画
監督 武内英樹
脚本 徳永友一
原作 『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』魔夜峰央(宝島社)
出演 二階堂ふみ/GACKT/伊勢谷友介
公式サイト http://www.tondesaitama.com/
You tubeで予告を観る https://youtu.be/XDFA1uZ8Fc8